これからご紹介するのは、
今から十数年前、仕事ついでに行った
関東にある温泉地でのお話です。
出張ついでに温泉地へ
その頃、まだ30代前半だった私は、仕事の都合により東京から車で約2時間半ほどの郊外へ出張に出かけていました。
作業終了予定が金曜日の20時だったことと土日が休みということもあって、
客先から少し離れた温泉地のホテルに2泊3日で宿泊することにしました。
出張ついでではありましたが、初めての一人旅にとても心浮かれていたものです。
金曜日の夜
仕事終わりにお客様と軽い食事を取ってから
ホテルでチェックインすると既に23時を回っていました。
慣れない出張に疲れていたこともあり、
その日は温泉に入ってすぐ床につきました。
翌土曜日は丸一日使って観光を予定していて、
温泉街を巡りいくつかの温泉にも入り
日頃の疲れも癒されるとても充実した週末となりました。
最終日、日曜日の朝
身支度を終えて「朝食後にもう一度ホテルの温泉に入ってから帰路につこうかな」などと考えつつ
朝食会場へと向かいました。
東京から程よく離れた温泉地の週末ということもあり、
朝食会場は少し待ち時間ができるほど混み合っていました。
15分ほど待ったでしょうか。
ようやく席を案内され食事を選んで席につくことができました。
席と席の間は体を横にしないと通れないくらいの狭さで
土曜日の朝食時と比べるととても混雑していました。
右隣には仲良さそうなOL風の若い女性二人が座っており、
既に食事済ませた様子で食後の会話に盛り上がっているようでした。
スマホで帰りのルートを確認しながら食事していると
途中から彼女たちの夢の話が気になったのです。
若いOL二人の不思議な夢
ここでは、二人の女性をAさんとBさんとし、会話の内容をなるべく思い出して書いてみます。
A「私さあ、昨日変な夢みちゃったんだよね。」
B「あ、私も見た。Aはどんな夢?」
A「昨日行った石畳の階段あるじゃない?
昨日はたくさん人がいたけど夢の中では誰もいなくて。
それで、その階段を一人で登っていくのね。」
B「え?やだ、なんか同じような夢。」
A「うそ?それでね。
なんとなく景色が白黒というかセピア色というか、
昼間なんだけど薄暗くてなんか昔の雰囲気だったの。
階段をずっと登って行くと途中に小さな赤い鳥居とお社があったじゃない?
狐が祀ってあったのかな?
そこがなんだか気になって鳥居をくぐったんだけど。
お社の後ろに何かチラッと見えた気がして見てみたらね。
オカッパ頭の女の子が顔半分だけ出してこっちを覗いてたの。
そこでハッと目が覚めたの!」
B「ええ!一緒!一緒!なにそれ超怖い。。。それ私が見た夢と全く一緒だよ!
それってさあ、Aがトイレに起きた時のこと?夜2:23だった。」
A「そう!!ええ~!超怖い!やだやだ~。」
B「同時に同じ夢見てたってこと?
ありえない!めちゃめちゃ怖いじゃん!心霊現象だよ」
A「でもね、でもね、それだけじゃないの!トイレに行った後でね。
洗面所で手を洗ってから鏡を見たらベッドの端からオカッパの頭だけが見えたの!
でも振り返ったら何も無かったから気の所為かなと思ってたんだけどー」
B「やだそれ!私のベッドじゃん!やめてよー!
うそでしょ?私の頭と見間違えたんじゃないの!?」
A「だってBは茶髪でロングのウェーブじゃん。全然違うでしょ!」
B「えー、もう部屋戻れないよー。フロント行こ!」
A「そうだね。でも今日帰る日でよかったー」
たしか、このような会話だったと思います。
他にも同じ夢を見た人が、、、
身近に起こった怪談話ですから思わず聞き入ってしまったのですが、
実は聞き入ってしまった理由はそれだけではないのです。
驚いたことに宿泊した初日に私が見た夢と全く一緒だったのです。
いつも見る夢とはどこか違って少し現実のような妙な感覚があったのですが、
2日目は見なかったのでただの夢とそのまま忘れるところでした。
不思議に思ったのですが、
彼女たちは前日に石畳の階段を登ったと話していました。
しかし、私はそのような階段は登っておらず、
ましてや赤い鳥居もくぐった覚えがないのです。
私は聞き耳を立てていることを悟られないようにスマホを見ていたのですが、
彼女たちが立ち上がったタイミングで私も顔を上げたところ、
通路を挟んで向かい側に座っている男性が女性たちの方を見て驚いた顔をしていました。
ああ、きっとあの方も同じ夢を見たのではないだろうか。直感でそう思いました。
さて、あの夢は一体なんだったのでしょう。
おわりに
みなさま、もしも旅行先の宿泊先で夜中の2時23分にこのような夢を見て目が覚めることがあったとしたら、トイレには行かずに朝までそのまま眠りにつくことをオススメします。
もし万が一、起きてしまって恐ろしいことがあったとしても。。。
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